武器以外手ブラノヨウダガ」
「俺は魔法が使えるからな」
そう言ってバケツと杓を取り出す。
「残りは村に行ってから配ろう。ここからでは重いだろう」
「ソウダナ」
俺達は並んで集落に向かった。
「ニンゲン、待ッテタ!」
どうやら懐かれたらしい。普通の色のゴブリンたちも遠巻き<に眺めているが、なにやら畏敬の念が出ているようだ。
「今日は水を汲むときに楽になる取っ手付きの桶と畑に水を撒く道具、そして武器を持ってきたぞ」
『オー!』
これには他の赤いゴブリンも嬉しいらしい。
「よし、開門」
ゲートからまずは一本取り出す。
「まずは族長、お前からだ。とても錆びにくい特別製だからな」
「感謝スル」
ステンレス製の山刀を渡す。
「貰った奴は貰ってない奴の後ろに回ってくれ。順保濕針番に並んでくれよ」
ゴブリンたちは顔を見合わせ疑問符を浮かべる。分からないらしい。
「一列に、一人ずつだ」
それはわかったのか、列を作って順番に渡していく。
「行き渡ったな?村を守り、畑を耕す報酬だとでも思ってくれ。それとついでに俺の家だな。巡回路はこれから教えるから、族長、着いて来てくれ」
「俺カ?」
「一番偉いんだからお前が族長だろうに」
「族長カ・・・・・・良イ響キダナ」
「今まではなんて呼ばれてたんだ?」
「オサダ」
「まあ、分かればいいだろう」
これから族長って自称するのかは知らんけど。
「これから頑張って何事も無かったら報酬にお前らにも武器を作ってやるぞ。我はと言う者は頑張ってくれ」
その言葉を族長が通訳し、沸くゴブリン。嬉しいらしい。
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